NEW COMER '04年2月10日発表
VOLVO S40&V50
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 1927年に創業者であるアッサール・ガブリエルソンとグスタフ・ラーソンの二人は、「車は人間によって運転されるもの。だからこそ、ボルボは常に安全な車でなければならない」という基本理念を打ち出した。3点式シートベルトやデフロスター、エアバッグなどといった時代の先端装備から、そもそも自動車会社として独自に事故調査を解析し、それらを開発にフィードバックさせるなど、その斬新でかつ地道な安全性へのこだわりは創業時より数えて77年経過した今も変わることがない。
 新型S40とV50では、そんな伝統をさまざまな形で具現化しているが、特に注目すべき点は新しいフロント構造を採用した先進の乗員保護システムだろう。上級モデルと同等の安全性能を追及するとはいえ、実質問題としてアクシデントが発生したときに必要となるクラッシャブルゾーンが、車体の小型化ゆえに小さくなってしまうのは必然。しかし、それらをあらかじめ計算されたプロセスを経て、効果的に吸収するゾーン・システムを採用したというのだ。素材の見直しから始め、結果的に最大限の衝撃吸収性を得るために、4種類のスチールを使い分けた。展示されていたS40の衝突実験車では、脇に置かれたスチール素材と同時に色分けされたフロント構造部分が、衝突の凄まじさとS40の安全性を物語っていた。よく見ると、確かに衝突によって変形した部分が、パッセンジャー・コンパートメントに近づくにつれて少なくなっているのが確認できる。この実験車の展示こそ、ボルボの安全に対する自信の現われではないだろうか。
 もちろん、これだけがボルボの安全技術ではなく、「インテリジェント・ドライバー・インフォメーション・システム(IDIS)」もそのひとつだ。戦闘機を参考にして開発されたというこのシステムは、運転中のドライバーに必要な情報と緊急を要さない情報とを区別してくれるもの。例えば、追い越しやブレーキング時などでは、ウォッシャー液補充などのワーニングは保留されるのだ。これは、今後のスタンダードになるというから、日本車の得意とする「気配り」装備もウカウカしてられないだろう。
さらにエンジンまでも安全性に寄与している。直列5気筒エンジンを横置きで搭載するという従来のレイアウトを受け継いでいるが、補機類のレイアウト変更などにより、従来型よりさらにコンパクト化し、これによってエンジン廻りの有効クラッシャブルゾーンの確保と、車重の軽量化に貢献した。これは環境性能にも影響することになる。
 昔からボルボ=安全という公式が思い浮かびがちだが、じつは環境性能についてもボルボが得意とする分野。S40、V50共に、平成12年排出ガス規制の75%低減レベルを満たした「超-低排出ガス車(三ツ星)」認定を輸入車として初めて達成しており、古くは昭和53年排出ガス規制を輸入車として初めてクリアしたのもボルボであったことからも、またしても快挙達成といえるだろう。
 ついつい前途のようなイメージが先行しまいがちなボルボだが、もうひとつボルボのクルマに脈々と受け継がれてきたアイデンティティがある。それは、あの「ボルボ顔」ではないだろうか。安堵感すら感じるグリルを中心としたフロントのデザインは、新型でもまさしくイメージ通りの「ボルボ顔」をしていた。パッと見スマートになった印象だが、正常進化といえるようなデザインに、コンサバと言ってはいけないのかもしれない。しかし、「ボルボはこうでなくっちゃ」と思う安心感の一方で、チョットだけ物足りなさを感じたのも事実。これがスカンジナビアン・デザインであり、ボルボの伝統で個人的にもお気に入りな点といえばそうなのだが…。良くも悪くも期待通りであることに、ヘソを曲げたくなるという気持ちなのかもしれない。
 エクステリアの変化以上に、インテリアで目を見張るデザインが施された「フリーフローティング・センタースタック」にも注目しなければならない。センターコンソールの後ろ側がスッポリと開いていて、収納スペースになっているのだ。たった25mmの厚みしかないコンソールに、「空調やオーディオの配線はどこへ?」と不思議な気持ちになるが、これも最新の技術が織り成す技であるということらしい。しかし、この一見物珍しさをも感じるデザインも、じつはスカンジナビアン・デザインの椅子にあるというから、ここにも伝統的なデザインテイストが盛り込まれているといえそうだ。
 総合的に見て、やっぱり大人のクルマというイメージが強い新型S40とV50だったが、上級モデルに匹敵する性能がこのようなエントリーモデルに凝縮されているとすれば、若いファミリー層にも訴求する力は十分にあると思う。ただ、良さを直球で伝えるのはナカナカ難しいご時世なのだが…。
 2004年5月より受注開始。予定販売価格(税抜)は、「S40」が330.0万円、370.0万円、410.0万円。「V50」が355.0万円、395.0万円、445.0万円。


■ボルボカーズジャパンホームページ
http://www.volvocars.co.jp/