NEW COMER '03年12月22日発表
TOYOTA CROWN
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 江戸開府400年に起因するのか、近頃「伝統」とか「継承」などといった昔を懐かしむ場面に多くでくわす。もちろん、懐古趣味が悪いわけではなく、かえって個人的にも大好きなのだが、「伝統」をどうとらえるのかといった点を明確に表現されたことは、今までになかったような気がする。「伝統とは形骸を継ぐものにあらず、その精神を継ぐものなり」とは、ロダンの言葉だという。発表会の会場で初めて聞いたこの言葉に、そう、「伝統」とはこうとらえられるものなのだと感じた。
 新型車は1955年1月発売の初代から数えて12代目となるクラウン。ステージの真ん中に黒々と光り堂々とした佇まいを見せる初代クラウンは「観音開きクラウン」と呼ばれ、親しまれた。ハシゴ型フレームやフロントサスペンションをダブルウィッシュボーンとするなど、当時の高い技術が盛り込まれ、日本初の純国産乗用車として誕生している。豊田喜一郎の目指した安価な国産大衆車とは一線を画したものではありながら、「日本人の頭と腕で世界一のクルマを創る」という情熱が流れ、その後世界にチャレンジすべく、トヨタ初の海外輸出車として販売されたエポックメーキングとなったクルマだ。この流れ出でる情熱がクラウンの伝統となり脈々と受け継がれてきたが、今回はこの伝統と情熱、そしてチャレンジスピリッツを継ぎながらも、まったく新しいクルマ「ZERO CROWN」が開発された。
 現在、クラウンユーザーの高齢化は事実である。そこで、円熟したユーザーに加え、「若い人たちの憧れ」にもなり得るようなクルマを目指したという。デザインと走りに重きを置き、「静から躍動への変革」をテーマに、五感に訴える性能を追求した。なかでも一番の注目点はやはりエンジンではないだろうか。いよいよトヨタも従来の直6から決別し、新開発V6エンジン3GR-FSE型、4GR-FSE型を搭載したことに、時代の流れを感じずにはいられない。
 このエンジンは直噴であるが、従来のD-4とコンセプトが異なるストイキ(理論空燃比)D-4。リーンバーンではトルクが出難い点が欠点のひとつだった。無理に出そうとするとNOxを出してしまい、そもそもの環境に優しいエンジンとしての意味をなさなくなってしまうという問題点があったのだ。しかし今回はエンジンにとって素直なアプローチであるストイキでの直噴に変更し、さらに運転状況に応じた吸・排気バルブの開閉タイミングを最適制御するDual VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)などの採用によって、最大トルクの90%以上を2,000rpmから発生可能とした。結果、3.0リッターの3GR-FSEエンジンでは、314Nm(32.0kgm)/3,600rpmを発生するというから、出足加速などでの走りに大きく貢献するはずだ。
 シャーシでは2,850mmのロングホイールベース、1,525mmのワイドトレッドを実現するプラットフォームを新開発。ちなみにこのプラットフォームは、これからのトヨタFR車のスタンダードとなるべく、重要な使命を帯びて開発されている。ほかにも、アルミを多用した新開発のフロント・ダブルウィッシュボーン・サスペンションなど、従来型からの脱皮を積極的に図っていることがわかる。
 もうひとつの大きな特徴であるデザインも、テーマを具現化させる力強さに、「書の勢い」をモチーフとした日本固有の優美さを表現。また、随所にユニバーサルデザインが施されたり、かゆいところに手が届く装備、”ボムッ”と心地よいドア音など、クラウンがクラウンたるところである、「おもてなし」の心も忘れてはいない。当然、環境・安全装備にも最新技術が盛り込まれている。
 新型クラウンは、初代から世界を見据えつつ、より深く「日本」また「日本人」であることを大切にしながらチャレンジしていく精神を伝統とし、新たな解釈で創造したもののようだ。まさにゼロから始まる新たなクラウンの歴史が、今ここにスタートしたと感じる。
 12月22日より全国のトヨタ店(東京地区は東京トヨタおよび東京トヨペット、大阪地区は大阪トヨペット)で発売。価格は315.0万円(2.0リッター/5AT)〜499.0万円(3.0リッター/6AT)まで10タイプ。




■トヨタ自動車ホームページ
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