NEW COMER '03年10月6日発表
TOYOTA AVENSIS
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 アベンシスは、「欧州車を超えるトヨタの欧州車」を合い言葉に、ヨーロッパのために専用開発した「トヨタのヨーロピアン・フラッグシップサルーン」だ。欧州各国においては3月より順次販売を開始しており、このたび日本に上陸と相成った。ちなみに、日本仕様のアベンシスは欧州で販売されているアベンシス同様に英国のTMUK(Toyota Motor Manufacturing(UK)Ltd.)で生産され、オプションなどの取り付けに関しては日本国内(田原工場)で行なわれる。
 ところで、ヨーロッパには高い操縦性・走行安定性をもったクルマが多く存在する。それは何故だろう? ひとつには100年を超えるクルマづくりの長い歴史、そしてドイツの速度無制限のアウトバーンをはじめ、WRCで使われる無数のワインディングや石畳の道などで鍛えられたからにほかならないだろう。そんな欧州市場で、すでに高い評価を得ているアベンシスを発表会場でチェックしてみた。
 まずはスタイル。フランス・ニースにあるトヨタのデザインセンターで欧州のデザイナーを中心としたチームが手掛けたというスタイリングは、躍動感とエレガントさにあふれる美しいヨーロピアンスタイルを演出している。欧州車の質実剛健さを感じさせながら、どこかに日本の清楚で繊細な美を感じさせる、そんなイメージだ。セダンとワゴンがあるが、個人的により強く欧州車のテイストを感じたのはセダンのほう。前から見ても後ろから見ても、「これぞトヨタの欧州車!」といった感じ。とりわけシルバーメタリックのボディカラーはそんな印象が強い。セダンに比べるとワゴンは斜め後ろから眺めたときの印象がほんの少し優しく感じられ、そんな意味では日本車のテイストがわずかに色濃いように感じた。あくまでも個人的な感想だが。もちろんワゴンのスタイルもカッコいい!
 驚いたのはドアを閉めたときの「ドスッ」と重厚で剛性感のある音。これは実車に触れる前からすごく期待していた部分。じつは過度の期待をして「ふーん」となる場合もあるのだが、アベンシスの場合はセダンもワゴンもボクの期待以上! 高剛性ボディを実感する部分だ。ドアを閉めたあとの車内の静寂がまたいい。発表会場は多くのプレス関係者で賑わっていたが、ドスッとドアを閉めれば、外の喧騒がウソのように静かな空間が待っていたのだ。ちなみに走行時の会話のしやすさに対しても指標を設定し、トヨタが培ってきた静粛性に関する技術とノウハウを投入して開発を進めたとのこと。
 アベンシスの室内空間は、トヨタのヨーロピアン・フラッグシップサルーンにふさわしい仕上がりだ。まず居住スペースが広々としている。全長4630mm×全幅1760mm×全高1480mm(セダン)というボディサイズから想像するより室内はずっと広い。とくに室内幅と頭上空間がゆったりしているリヤの足元スペースは身長173cmのボクが最適なドライビングポジションをとった状態で広大なスペースが確保されていた。
 シートがまたいい。フロントもリヤもそうだが、サイズがたっぷりしていて、シート全体で体重を支えてくれる感じだ。背筋も自然に伸びる。経験上、こういうシートは長距離ドライブでも疲れない。唯一、「これは好き嫌いがわかれるかも」と思ったのは、フロントシートのラチェット式無段階調節のシートリクライニング。きめの細かい調整ができるのはありがたいが、仮眠をとりたいときなど、一気にグイッと動かしたいときはけっこう面倒くさい。このあたりは考え方の違いなんだろうが、ヨーロピアン・フラッグシップサルーンを名乗るなら、電動調整式シートを採用してもよかったのでは?というのが正直なところだ。
 このほかインパネのデザインやメーターなどにはとくに「欧州車だから」という部分はないが、オーディオやエアコンのスイッチが大きくて使いやすいと思った。見やすいオレンジ色のオプティトロンメーターは全車標準。メーターパネル内の液晶表示部は、オド・トリップ表示に加え、時計や外気温、シフトポジションを表示する。ちなみにスピードメーターの表示は「180km/h」までだ。
「これはいい!」と思ったのはオーディオの音質。チーフエンジニアの福里サンは音楽鑑賞やオーディオを趣味(ほかにモータースポーツや能も趣味!)としているそうで、アベンシスのオーディオシステムの開発にあたっては、「誰もが、音の出た瞬間、あッ良い音だなと感じ、音楽に浸ってしまう、そんな音づくりを目指しました」という。実際にその音を聴いてみたが、純正オーディオとは思えない豊かな臨場感とメリハリのある迫力あるサウンドが楽しめた。全車標準装備というのもうれしい。
 アベンシスの搭載エンジンは、2.0リッター直噴4気筒の1AZ-FSE型。114kW(155ps)の最高出力と192N・m(19.6kg・m)の最大トルクを発生。平成22年燃費基準をクリア(2WD車)するとともに、全車、超-低排出ガス認定を受ける。FF車はシーケンシャルシフトマチック付きのSuper ECT<スーパーインテリジェント4速オートマチック>、4WD車はECT-iE<電子制御フレックスロックアップ付4速オートマチック(インテリジェント)>と組み合わされる。4WDはビスカスカップリングを採用したスタンバイ式Vフレックスフルタイム4WDを設定。10・15モード燃費は2WD車が13.0km/L、4WD車が12.2km/Lだ。
 安全性の高さもアベンシスの特長のひとつ。重量の異なる車両同士の衝突時における共存を追求する「コンパティビリティ」の概念を取り入れ、進化させたGOAを採用。運転席ニーエアバッグを含むエアバッグシステムの採用などによって、世界でも厳しい衝突安全評価のひとつとされるEuro NCAPにおいて最高ランクの5つ星を獲得。ちなみに最高ランクの5つ星を欧州メーカー以外で獲得したのはアベンシスが初めてとのことだ。
 サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがトーコントロールリンク付ダブルウィッシュボーン式。ブレーキはフロント16インチ、リヤ15インチの大径ディスクで、高摩擦係数のブレーキパッド採用によりスポーツカー同様の効き味を実現しているという。欧州で鍛え上げた高いパフォーマンスを早く味わってみたいものだ。
 価格は220.0万円(セダンXi・2WD)〜290.0万円(ワゴンLi・2WD)まで。全国のトヨタビスタ店(沖縄地区はネッツトヨタ店)で販売。



■トヨタ自動車ホームページ
http://www.toyota.co.jp/