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R2は軽自動車という言葉が似合わない軽自動車だと思う。もちろん、カテゴリー上はレッキとした軽自動車なので、黄色いナンバープレートがちゃんとついているし、税金面でのメリットも多数……。ではどこがこれまでの軽自動車と違うのか? それはもう、R2ならではのキュートなスタイルと流行に左右されないパッケージングに尽きる。
ボディサイズや排気量に制約のある“軽枠”に縛られた結果、ワゴンRに代表される、いわゆる“背高ノッポボディ”がここ10年の軽自動車界におけるトレンドになっている。その傾向は今もしっかり受け継がれ、R2のライバルとなる各社の最新軽モデルは、どれも容積をしっかりと稼いだパッケージングをセールスポイントに、オリジナリティ溢れるスタイリングを成立させている。
R2はそこに目をつけ開発をスタート。スバルにはこれまでプレオという軽があった。精密な4気筒エンジンと4輪独立サスペンションがもたらしてくれる安定した走りには定評があったものの、ことそれ以外になると急に元気がなくなってしまった。この理由は単純明快、スタイルが地味だったからだ。R2は徹底してデザインにこだわり、背高ノッポをスパッとあきらめ方向転換。ついでにパッケージングも整理した。使う頻度の少ない凝った機構の折りたたみシートなどやめて、代わりにクラスを超えた座り心地のシートを採用するなど、誰にでもわかりやすい機能をアップさせている。つまり、欲しいと思わせるデザイン、それに高い実用性を兼ね備えたクルマに生まれ変わったのだ。
こだわりは、当然走りにも良い影響をもたらしてくれた。注目はなんといってもNAエンジン。もちろん、プレオ時代からリファインされたスーパーチャージド・エンジンもラインアップされているものの、新開発となったDOHCエンジンは抜群の仕上がり。2リッタークラスに採用されるべく電子制御スロットルのほか、可変バルブタイミング機構も併せて採用。ミッションは5MTのほか、i-CVTを組み合わせている。
まずはその新開発DOHCを搭載したRから試乗。エンジンを掛けてビックリなのはアイドリング時の振動が極端に少ないこと。Dレンジでの信号待ちでもステアリングに伝わる振動は皆無に近い。ちょっと信じられないけれど、この感覚はプリウスがエンジン停止しているときに近い。そこからゆっくりとアクセルを踏み込むと、予想以上に力強い加速が始まる。アクセルとクルマが一体となって反応するような印象だ。これには新採用のi-CVTに組み込まれたアクセルの踏み具合を学習する機能が大きく影響している。ドライバーのアクセルを踏み込むクセを蓄積して、よりスムースに、かつ燃費が良くなるようi-CVTの変速タイミングを調整する機構がそれだ。参考までに調べてみると、これまでプレオに搭載されていたマイルドチャージエンジンとの60km/hまでの加速タイムは、むしろRのNAエンジンが速い。いくら俊敏とはいえ、パワー&トルクともに数値上は低いNAエンジンが速いそのわけは、ボディの徹底した軽量化が最大の理由。約100kgのダイエットに成功した現行レガシィにも同じことが言えるけれど、最近のスバルは衝突安全性を高めつつも、徹底した軽量化を両立させている。しかもR2のボディ重量はレガシィの約半分。それでいてプレオとの比較で70kg〜100kgもの軽量化を達成したということは、スバルの技術力の高さを実証しているようなものだ。
スーパーチャージャーを搭載するスポーツモデル“S”には7速マニュアル変速可能なCVTを搭載。ダンパーやスプリングを引き締めるだけでなく、Rよりも径の太いスタビライザーを採用していることもあって、ロールの少ないキビキビとしたハンドリングが特徴。ただし、加速中の振動やエンジン音などはやや大きめだった。
今後、スペース効率主義で造られた軽たちは1.5リッタークラスのミニバンに攻め寄られ苦戦を強いられることになると思う。そうなると次なる軽の主流は個性的なデザインをもち、日常的な使い勝手に優れたR2のようなモデルに一気に変わっていくことだろう。
(西村直人/NAC)
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