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新型ライフを紹介する福井社長は「小さいからこそ、安全と人を大事に開発した」と話す。そして、その話ぶりは大変に力強い。軽自動車は日本特有の交通事情などを踏まえた特有のカテゴリー。現在、4輪車市場のうち3割を軽自動車が占めるというから、軽自動車が日本人の生活にどれだけ密着した存在であるかがわかる。ライフは1997年に登場し、1998年に軽自動車規格変更に伴ってフルモデルチェンジが施されて以来、この新型ライフで3代目を数える。しかし、このライフというクルマは、ホンダというより、日本が誇る一台、「Nッコロ」の愛称で親しまれた「N360」をルーツとする伝統あるモデルなのだ。
N360は1967年3月に登場したが、二輪車用エンジンをベースとした空冷4サイクル2気筒OHCエンジンのパワフルさと、音の静かさに加え、ホンダ初のFF、さらには設計をキャビンから行なったという理由もあったからか、大人4人が乗れる居住性の確保など、小さな見かけからは想像できないほどの驚きが満載のクルマだった。ライフがこのルーツを継承していることを考えてみれば、ホンダが新型ライフにかける力強い意気込みと自信が感じられるのは当然のことだろう。
福井社長が話すように、新型ライフの目玉技術は新開発「コンパティビリティ対応ボディ」にある。これはホンダが1998年より発表している、衝突安全技術「Gコントロール」の進化版なのだが、従来の乗員に対する「傷害値の低減」と「生存空間の確保」の両立を実現する「自己保護性能」をさらに向上させたほか、「相手車両への攻撃性低減」をも両立させた技術である。
この秘密は、エンジンルームにおける衝突エネルギーの分散と、その吸収を効率よく行なうというところにある。高効率なエネルギー吸収を行なうメインフレーム、上部の衝突エネルギー吸収を行なうアッパーフレーム、相手車両とのフレーム同士のすれ違いを防止するロアメンバー構造など、相手車両のフレームと横および上下方向のすれ違いが起きにくい、ボディ前面の骨格構造を採用したのだ。これにより、ナント相手車両が2トンクラスまでの乗用車との正面衝突において、前モデル比でエンジンルームでの吸収量は約50%アップ、キャビンでの吸収量は約30%低減と、乗員保護性能を向上させながら、相手車両の攻撃性低減を実現するという。ほかにも、ボンネット、ボンネットヒンジ、ワイパー取り付け部、フロントフェンダー、バンパーに衝撃吸収構造を採用した「歩行者傷害軽減ボディ」、軽自動車初の運転席シートベルトに2つのプリテンショナーを採用するなど、安全性が格段にアップしている。当然、この「コンパティビリティ対応ボディ」は今後、新型プラットフォームを採用する車両すべてに適用するとのことで、新型ライフがそのトップとなった。
新開発i-DSIエンジンはターボも含み、全車「超-低排出ガス」認定を取得(量産ターボ車初!)、新開発4速ATは、アコードなどで採用されている「直動ダイレクト制御システム」を軽自動車初で採用し、スムーズなシフトフィーリングを実現。また、室内高のアップ、ロングホイールベースなどによるパッケージングは、まさにN360に由来するライフお得意の分野。さらに軽自動車初の内装部品のPVC(塩化ビニール樹脂)全廃や鉛使用量を1996年レベルの1/10に削減するなど、環境へのやさしさも追及しており、とにかく軽自動車と侮れない、ホンダの高い技術が惜しみなく投入されている。もちろん、機能に裏づけされたデザインや、多彩なシートアレンジと収納スペースなどのユーティリティにも細かな気配りが感じられる。
色使いや丸型を基調とした感のあるデザイン、抹茶やキャラメルをイメージした美味しそうなカラーリング、文字だけでなく絵でも情報伝達を行なう「マルチインフォメーション・ディスプレー」など、女性をかなり意識した印象の新型ライフ。しかし、ジツは「硬派な」技術が盛りだくさんの「やさしさ」や「気配り」=「Heartful Technology」が随所にちりばめられたクルマのようだ。
新型ライフは9月5日よりホンダプリモ店で発売。ターボ搭載車は10月6日、福祉車両アルマスは11月7日より発売開始。価格は95.0万円〜128.0万円まで6タイプ(アルマス除く)
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