シトロエン c3
   今回試乗した24TLというグレードは、アコードの中ではもっともラグジュアリーなモデルだが、じつに気持ちいいワインディングの走りを示してくれる。いわゆる日本の上級セダンでは、ワインディングの走りで不安を抱かせるものが少なくないが、アコードは高速道路で感じた印象がそのままに、どこまでもしっかり感を伝えてくるクルマだ。
 ダイナミクス性はとにかくバランスのよさが光っており、身のこなしがスマート。ステアリングを切っていくと、忠実にボディの動きに変換している感じがあり、常に高い安定性を伝え続けてくれる。操作に対する反応がそういう感じだから、24TLでワインディングを走るのはじつに気持ちよい行為なのである。エンジンも高い静粛性と滑らかさを存分に伝えるものでありながらも、決してスポーティな感じを忘れていないところが、さすがホンダといえる部分。高回転まで気持ちよく伸び、心に響くサウンドを聴かせてくれる。ブレーキも頼もしい。ペダルを踏む力をそのままキャリパーに伝え、パッドでローターをジワリと締め付けていくさまがよく分かる。もちろんその感触が、絶大なる信頼を感じさせる要素となっている。生み出される走りの世界は、まさにセダンの理想といえるもの。動きのひとつひとつが、不快な部分を伴うことなく、克明にドライバーに伝わる。だから一度走らせると、素直に「いいクルマだ」と感じるのだ。鋼のようなしっかり感を常に伝え続けるそのようすに、思わずどこまでも走っていきたくなる。すると時間の流れが、とても豊かなものに感じられるのだ。
   高速道路はアコードの真価が存分に発揮される場所といえるだろう。 尋常ではない直進性の高さは、180km/hのメーターを物足りなく感じさせるほどだ。だから100-120km/h域では、まさに矢のように、どこまでも真っ直ぐに突き進んでいく。これは高い剛性を持つボディと、そこにしっかり取り付けられたサスペンションによって、非常に高いスタビリティを確保したからこそのものだ。 同時に乗り心地のよさも素晴らしいレベルにある。路面からの衝撃そのものはパシッと強く入るが、その後は即座にボディの動きが一発で止まる。こういった感じは、走りに安心感と気持ちよさを生む大きな要素だ。 2.4リッターのエンジンは静粛性が高いながらも力強く、味わいと呼べる感触を持ち、高速巡航時は余裕を感じさせながら滑らかに回る。こんな具合で高速道路で感じる走りのバランスのよさとレベルの高さは脱帽もので、まさに欧州のセダンに匹敵しているといえる。 オプションで装着できるHiDSはとても「使える」システムだ。とくに高速道路でこれをセットすると、気持ちにゆとりが生まれる。車線をカメラでスキャンしてステアリング操作を行なってくれるし、レーダーを採用したクルーズコントロールを合わせて併せて使えば、前車に合わせて加減速する。眠くならないの? と思うだろうが、全然ならない。というのもHiDSはステアリングに触れていないとシステムがキャンセルされるため、常に運転することを意識させられる。上質さを感じながら、疲れを知らずにどこまでも走っていきたくなる気分にさせてくれるのだ。
(文 河口まなぶ)
 

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