エリシオン
新たなHonda伝説のスタート
世界初技術と初の国内280馬力超のエンジンを搭載したフラッグシップ
 

8年ぶりのフルモデルチェンジに会場は大盛況。上級セダンに相応しい豪華で落ち着いた雰囲気が漂う

会場で流されたビデオには福井社長がドライビングする姿も。「これ、いいね」と楽しそうな表情が印象的だった

「SH-AWD」で肝となるリアドライブユニット。左右一対のダイレクト電磁クラッチが、前後輪、後輪左右の駆動力を自在にコントロールする

高出力を誇りながらも、平成17年排出ガス基準75%低減レベル(四つ星)を達成するクリーン性能も自慢だ

青く色づけされている部分が、ハイテン材が用いられた部位。軽量・高剛性化を達成して走りに貢献する

ブルーグラデーションの文字盤を最も奥に配した立体自発光メーターや、ブルーイルミネーションなどで上品な印象のインテリアを演出する

テールライトとストップランプのLEDを円形状に立体配置。また、エキパイフィニッシャーとバンパーの隙間、サスペンションやサイレンサーを見えなくするなど一体感あるリアビュー
 8年ぶりのNew LEGEND誕生。いよいよホンダがフラッグシップモデルをフルモデルチェンジした。

 1985年に初代モデルが誕生してから、約20年。日本の代表的な上級セダンのひとつとしてレジェンドはどのモデルにもその時代のホンダを表す高い技術が搭載された。そして、4代目となった今回も世界を驚かす最新技術を持ち込んできた。

 東京都港区に位置する高輪プリンスホテルで行われた新型レジェンドの発表会。しかし、ホンダには珍しく(?)司会者もなく、じつにあっさりとした感じであった。福井威夫社長が挨拶をし、その後は新型モデルの解説がビデオで流されて終了した。普段なら、開発責任者の方やチーフデザイナーなどが登場して、ポイントを高い舞台から説明をする。しかし、高輪プリンスホテルという会場といい、なだらかなスロープが中央に位置するだけという舞台といい、そしてすべてのカラーバリエーションをラインナップとモデューロによるカスタマイズされたモデルの全7台をズラっと配置した会場といい、シンプルで且つ高級感溢れる発表会は、趣向が凝らされた発表会よりも、新型車に対する自信がかえって感じられて好印象だった。

 さて、新型レジェンドでの注目点は、世界初となる四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD」と、遂に280馬力超となったV6 3.5リッター VTECエンジン「J35A型」だろう。

 まずは「SH-AWD=(Super Handling All-Wheel-Drive)」だが、これは前後輪に駆動力を可変配分するとともに後輪に配分した駆動力を左右で可変するというもの。あらゆる走行状態において、四輪それぞれのタイヤの能力を最大限に引き出し、駆動力を走るためだけでなく、曲がる性能にも活用することで、クルマの運動性能をこれまでにないレベルに引き上げるというのだ。簡単に言ってしまえば、4本足で自由に駆け回る動物の姿をイメージすると良いようだ。いざ!という時には、路面を選ばずに4本の脚で素早くダッシュし、しかも思いのままに曲がる。これが、「SH-AWD」の原点であるという。

 実際には、アクセルやステアリングの操作量とブレーキ信号を検出して、ドライバーの運転操作を判断し、その後ECUの情報で駆動量を算出。舵角センサー、横Gセンサーなど7つのセンサーから、走行状況や路面状態を判断し、リアドライブユニットによって前後輪および後輪左右の駆動力を最適にコントロールする。前後配分は、30対70から70対30、後輪左右配分は100対0から0対100まで無段階に制御可能で、これらを連続的に行なうことで、四輪それぞれの駆動力を常に最適となるようにコントロールされることになる。
四輪の駆動力を最適にコントロールしてフルに発揮することで、曲がる際の性能、直進安定性工場、駆動性能向上を実現し、あらゆる状況で優れた走行安定性とドライバーの操作に限りなく忠実で爽快なハンドリングを獲得することができるのだ。

 もうひとつは、ホンダが初の280馬力規制を突破したJ35A型エンジンだ。ここでホンダの国内初となる300PSを発表した。もちろん221kW[300PS]という最高馬力、そして353N・m[36.0kg・m]というパフォーマンスはもちろんだが、C35A型と比較し、全幅で36mm、全長で61mmものコンパクト化と、マグネシウム製ヘッドカバー、ニ分割構造のアルミ製ダイキャストインマニなどの採用と、軽量化も実現しており、より走りに貢献するエンジンとなっているといえそうだ。

 加えて、既存の技術も惜しみなく投入。インスパイアで採用した高速道路運転支援システム「HiDS(=Honda Intelligent Driver Support System)」や、フロントバンパー下部に設置した2基の遠赤外線カメラの映像から歩行者を検知し、ドライバーに知らせる世界初の「インテリジェント・ナイトビジョンシステム」をメーカーオプションで設定するなど、さまざまな新技術が搭載されている。

 すっかりお馴染みとなったホンダ顔とキャラクターラインなどに、従来のレジェンドの持つイメージから、エクステリアデザインは若干若返り過ぎたか!? といった印象は拭えないが、「高性能な走り」を塊(インゴッド)感の強さで表現したというエクステリアデザインは、空力特性も良さそうで、すべてが「走り」を中心に設計されていったということがわかる。しかしエクステリアでは、塗装の美しさと質の高さに注目したい。上級セダンに相応しい、輝きを放つこのペイントは、超高外観塗装と呼ばれるもので、従来の電着下塗り処理後、第1中塗り、第2中塗り、ベース、クリアと重ねるシングルクリアに対し、中塗り後に熟練工による丹念な水研ぎが行われているのだという。表面を平滑にした上でクリアを2回重ねることとなるため、クリア層が厚くなって、深みのあるコントラストを実現する。

 インテリアには、インストルメントパネルから左右のドアまで回り込む木目調パネルと、センターパネルの組み合わせを「M」字型に構成し、ゆとりとプライベート感を実現した。また、インストルメントパネルには、カーリーメイプルというカエデ独特の模様が入った、天童木工製の美しい本木目パネルをエクスクルーシブパッケージで採用するなど、豪華な装備となっている。

 質感の高さと、先進技術を今回も惜しみなく投入して開発された新型レジェンド。「独自の存在感」、「胸のすく走り」、「高い機動性」という開発における3つのキーワードからそれぞれ検証してみても、ホンダらしさを十分に感じさせるクルマに仕上がっているようだ。ホンダらしい若さから引導されるアグレッシブさが満ちている新型レジェンドは、まさにフラッグシップであった。

 2004年10月7日より全国のホンダクリオ店から発売。メーカー希望小売価格は、5,250,000円。
レジェンド
 全長X全幅X全高 [mm] 
4,930X1,845X1,455
 ホイールベース [mm] 
2,800
 トレッド 前/後 [mm] 
1,575/1,585
 車両重量 [kg] 
1,760
 エンジンタイプ  
V6 SOHC
 総排気量 [cc] 
3,471
 最高出力 [kW(ps)/rpm] 
221(300)/6,200
 最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] 
353(36.0)/5,000
 タイヤサイズ  
235/50R17
 10・15モード燃費 [km/L] 
8.6
 価格 [円] 
5,250,000