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1億円=10kgってご存知でした?
1億円の重さを体感してみたい、という切なる思いがお札の製作現場へ潜入する動機だった。新札にしばしば遭遇するというのも、常にどこかでお札が作られ、古くなったお札はどこかへ消えているということになる。
そんな疑問を抱えつつ、目指したのは東京北区にある「滝野川工場」だ。事前に申し込めば参加できる見学コースが用意されており、まずは資料映像をじっくり鑑賞。次に工場見学、最後に資料館で世界の新旧紙幣を見ながらお札の歴史や最新技術などの説明がじっくり受けられる内容になっている。
およそ90分の見学コースだが、短時間で意外とお札に対する理解を深めることができる。しかし、セキュリティ上お札を印刷している現場はガラス越しでしか見ることができないのが非常に残念。大きな用紙に20枚の1万円札が印刷されるのだが、それが500枚の束で管理される。それが山のように……。
束の間の工場見学を終え、お札の歴史と技術がわかる資料館へ。こちらが実は興味深く面白い。国内外の古いお札がズラーリ。こんなお札あったの? このお札まだ使えるの? といった貴重な資料が間近に見ることができたり、最新の偽造防止技術も解説付きで知ることができる。普段何気なく使っているお札に対する意識も変わってくるというものだ。現在1000円券の寿命は1〜2年、1万円券で3年程度だという。皆さんのお札に対する意識が変わって、もっと大切に使うようになれば年間33億枚も紙幣を印刷しなくても済むはずだ。
最後にお札に関するマメ知識を。日本で発行されたお札の中でもっとも大きなものは、明治24年に発行された改造百円券で、縦130mm、横210mmだった。一方最小のお札は昭和23年に発行されたA5銭券。縦48mm、横94mmだった。ちなみに現在発行されている紙幣は横の寸法は異なるが、縦はすべて76mmになっている。これは自動販売機などの普及率の高さとも関係しているだろう。お札に印刷されている記番号は、最初は「アルファベット1文字+6桁の数字+アルファベット1文字」、それを使い切ると、次に「アルファベット2文字+6桁の数字+アルファベット1文字」を使用する。文字の「I(アイ)」と「O(オー)」は数字の「1」と「0」に似ているため使用せず、数字は000001〜900000までしか使わないこととなっていて、実に129億6000万通りとなる。
それでは、お札の表面がなぜザラザラした感触なのか? 紫外線をあてると一部発光する部分がどこにあるか? 正面から見てもわからないが、お札を傾けると左右両端にピンク色の模様が浮かび上がってくるのはナゼ? といったすべてが滝野川工場見学でわかるのだ。本物のお札に触れることができないのが心残り。
お札ができるまで
製紙工程

1.[裁刻]材料となるパルプを裁刻機で細かく刻む。和紙の原料でもある「みつまた」が主となる

2.[離解]紙の材料を用途に応じてときほぐす工程。大きな紙のミキサーのような設備と思っていい

3.[精選]材料に含まれているちりなどの異物を取り除く工程

4.[叩解]紙にするときの繊維の絡み合わせを良くするために、繊維をすりつぶす作業だ

5.[調合]薬品を混ぜ合わせることで、より完全な状態の材料へ

6.[抄造]調合された材料を金網の上に流し紙の層を作る。すかしなどを入れ乾燥させ巻き取る

7.[断裁]巻き取られた紙を決められた寸法に正確に断裁する

8.[検査]紙の下から光をあて1枚1枚検査する

9.[員数]機械で正確に枚数を確認。これで紙幣の元が完成
印刷工程

1.[原図]お札のもとになる原図を工芸官が筆と絵の具で描くのだが、その繊細さは神業だ

2.[原版]原版は高度な技術と豊富な経験を持った工芸官が、専用の機具を使って彫刻する

3.[製版]出来上がった原版から印刷に使う版面が作られる

4.[印刷]国立印刷局が開発した銀行券印刷機で印刷される

5.[貼付]図柄などが印刷されたお札に、偽造防止技術のひとつであるホログラムを貼り付ける

6.[記番号印刷]お札の管理などのために、記号と番号を印刷

7.[大判検査]1枚1枚検査していく。この大判1枚に、1万円紙幣20枚分が印刷される

8.[断裁]大判用紙に印刷されたお札を決められた寸法にカット

9.[検査・仕上げ]断裁されたお札を検査し、枚数確認や帯かけがされ、1000枚束に仕上げる

10.[封包]日本銀行に納入するためにお札を封包する
見学情報

今回紹介した「滝野川工場」のほか、滋賀県にある「彦根工場」でも工場見学希望に対応している。事前の予約が必要なので、希望日2か月前の月の初日から2週間前までに各工場まで問い合わせを。
また、お札の歴史や印刷技術などが貴重な資料を見ながら学べる「お札と切手の博物館」「国立印刷局王子展示室」は予約なしで見学が可能だ。
http://www.npb.go.jp/
- 滝野川工場
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〒114-0024東京都北区西ヶ原2-3-15
お問い合わせ先:見学受付窓口 TEL 03-5567-1102(受付時間8:00〜16:30)
見学可能日:月〜金曜(9:00〜、10:00〜、13:00〜、14:00〜) - 彦根工場
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〒522-0027滋賀県彦根市東沼波町1157-1
お問い合わせ先:総務グループ TEL 0749-27-6004(受付時間8:00〜16:30)
見学可能日:火、木曜(10:00〜、13:00〜) - お札と切手の博物館
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〒162-0845東京都新宿区市谷本村町9-5 TEL 03-3268-3271
開館時間9:30〜16:30 休館日:月曜日(祝日・休日は開館し、翌日休館)、年末年始 - 国立印刷局王子展示室
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〒114-0002東京都北区王子1-6-1 TEL 03-5390-5194
開館時間9:00〜19:00(月〜金曜)、9:00〜17:00(土曜)



