NISSAN SILVIA S15

連綿と続くシルビアとしての完成形がS15型

名機SRユニットを剛性の高いボディに搭載

メイン写真
S15型スペック主要諸元(1999年式・6MT)
全長(mm) 4445
全幅(mm) 1695
全高(mm) 1625
ホイールベース(mm) 2525
車両重量(kg) 1240
エンジンタイプ SR20DET
総排気量(cc) 1998
最高出力(ps/pm) 250/6400
最大トルク(kg/ps) 28.0/4800
パワーウエイトレシオ
(kg/ps)
4.96
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ前後 205/55R16

性能に加え、低価格もキープ。日産らしい明解なコンセプト

タイヤ
スペックRについては16インチホイールを標準で装備し、ブレーキも対向4ポットキャリパーが奢られていた
6MT
話題となった6MT。クロスクロスで、キビキビした走りが楽しめた。ちなみにベースはアルテッツァと共通だ

軽量な5ナンバーボディと、必要にして十分以上のパワーを発揮するエンジンなど、シルビアほど明解でシンプルなコンセプトを持ったクルマはないだろう。なかでも最後のモデルであるS15型は、歴代モデルが熟成してきたものを完全昇華させた、完成形といっていい。

S14型までの3グレード体制から、グレード名自体も一新しつつ、シンプルに夕ーボのスペックR、NAのスペックSという2グレード体制へと変更。登場時にはすでにスポーツカー不振の時代だったが、めげることなく、よりハッキリとしたキャラクターを確立していた。もちろん価格も安く抑えられていた。

走りについても、完成形といってよく、S14型に比べて、ボディ剛性は大きく高められ、パワー自体もターボの場合で見ると、なんと30psもアップ。さらに大きな話題となったクロスレシオの6速MTが搭載されたのも、走りの性能を確実に高めてくれた。実際に走ってみると、扱いにくさはまったくなく、6速MTのギア設定も絶妙で、クロスレシオといっても、無駄なせわしさがなかった。

ただ、夕ーボのパンチ力はかなりのもので、低回転からトルクがしっかりと出ることもあり、あらゆる場面で胸のすくような走りが楽しめた。加えて、当然のことながら駆動方式はFRだけに、コーナーで踏んでいけるというのは、やはりシルビアの持ち昧のひとつ。大きくテールスライドさせるとなると、限界は高いだけに相当な技量が求められたのは事実だが、それもシルビアの計り知れない実力だったといっていいだろう。

リア
S14型とは打って変わり、直線を基調とした
シャープなスタイルとなった。
ボディについては5ナンバーサイズをキープ

HISTORY もうひとつのシルビア、オープンボディも用意

S14型

【S14型】
ポッチャリ感が強くなってしまい、スポーツカーらしさが薄れてしまった
先代のS14型。販売も不振

 
ヴァリエッタ
ヴァリエッタ
オーテックジャパンが開発した伝統メタルルーフ採用のヴァリエッタ。2シーターではなく、4人乗りとしている点にも注目。オープンを用意するのはS13型とS15型のみ

S15型のキャラクターを決定づけたのは、93年に登場したS14型だろう。その前のS13型が今では考えられないほどの大ヒットになったのだが、それはスポーツカーというよりも、デートカーとして。それが一転して、S14型ではデートの文字が消え、純粋なライトウエイトFRスポーツというコンセプトだけが残ったのだが、販売的にはかなり苦しいものとなり、大々的なフェイスリフトを行なったりした。そういった迷いの部分を初期化し、本来のコンセプトに立ち返ったのが、S15型といっていいだろう。

グレードも整理されたこともあり、販売面でもまずまずだったが、マイナーチェンジを受けることなく(それだけ完成度が高かったということにも)、キッチリと4年間売られたとはいえ、結局、排ガス規制のあおりを食って消えてしまったのは残念のひと言だ。


NISSAN SILVIA S15(価格はすべて当時・税抜き)
FMC 1999年1月19日〜
ウイングタイプのリアスポイラー
すべてのグレードに用意された「エアロ」ではウイングタイプのリアスポイラーも装着し、精悍さを向上
直4.2LDOHCインタークーラー付きターボエンジン搭載【価格】239万円
グレードはスペックS/スペックRを基本とし、スペックSにはエアロ/Gパッケージを設定。
スペックRについてもエアロを用意するとともに、さらにノーマルとエアロの両方にハンドリングをより向上させたスーパーハイキャス仕様も設定。
スペックRについてはフロントに4ポットキャリバー標準装備
クロスレシオの新開発6速MTをスペックRに搭載
スペックSについては5速MTを搭載
ボディについては5ナンバーサイズに収められた16インチタイヤ装着のMT車にはレスポンスとコントロール性に優れたヘリカルLSDを採用
MT車については排気系の更なるチューニングを行い、低回転で迫力があり、高回転域まで気持ちよく伸びる排気音を実現
Aピラー内部に、スペックSには油圧計、スペックRにはブースト計を内蔵
エアロシリーズにはサイドプロテクター/ハイマウントストップランプ内蔵リアスポイラーをセット
エアロシリーズにはさらにメーカーオプションでオレンジスウェードトリコットをシートなどに配したインテリアパッケージを用意
追加 2000年5月8日〜 第33回東京モーターショーに出展され反響が大きかった電動メタルルーフ採用のオープンモデル「ヴァリエッタ」を追加設定。
オーテックジャパンよりの発売となった。【価格】289.5万円
 

レースでも活躍したシルビア

レース写真

シルビアの1 メイクレースが一時は行なわれたりするなど、アマチュアレベルでも人気を博したが、JGTCにも参戦している。S13型からGT300にエントリーし、S15型でも大活躍。インプレッサやMR-Sといった多くのライバルがひしめくなか、優勝も飾っている。またレースとは異なるが、FRということで、ドリフト車両のベースとしては人気が高く、D1グランプリでも未だに現役で大活躍している。

 
 

2ドアスペシャルティクーペとしての系譜

S10

日本初のスペシヤルテイカーというのは、初代セリカ(通称ダルマ)とされているが、シルビアは初代からすでにスペシャルティ2ドアクーペとしての地位を築いていたといっていいだろう。

65年に登場した初代からしてすでに、流麗な2ドアクーペボディを採用しており、駆動方式はもちろんFR。県警高速隊の速度取り締まりパトカーに使用されたほどで、走りには当初から定評があった。

その後、最終型のS15型まで、計7代が登場したが、すべてのモデルでFR&2ドアクーぺを堅持していたのは特筆すべき点だろう。

ちなみに右写真のS10型ではロータリーエンジンを搭載する寸前だったが、石油危機により、中止になったというエピソードも。

Maintenance メンテナンスについてはシビアになる必要なし

オイル交換など、キチンと指示されたインターバルを守る

一般的な項目をしっかりと。エンジンオイルは早めに交換

エンジンルーム
縦置きFRということで、じつにシンプルで、スペースも余裕。もちろんメンテナンス性も抜群だ
タイヤ
4ポットであるから消耗が激しいということはなし。もちろんサーキットを走ればその限りではないが
エアクリーナー
賛否両論あるむき出しタイプのエアクリーナーだが、S15型についてはとくにトラブルになることもないという。最初から付いていればラッキーか
ヘッドカバー
ヘッドカバーからのオイル漏れはこちら側からはほとんどなし。ある程度走行距離が出ていても、カバーの色落ちなどはない

とにかく目立った大きなトラブルがないのが特徴だけに、日頃のメンテナンスについてもとくにシビアになる必要はなし。実用車も含めて多くの車種に搭載されたSR型工ンジンだけに、丈夫さは折り紙付き。一般的な項目&インターバルで行なえばいい。

たとえばエンジンオイルの交換については、夕ーボ車のスペックRでも3000〜5000km毎に交換すればよく、手間や財布への負担はあまり大きくないハズ。オイル自体はあまり安かったり、粘度の低いモノは避けたほうがいいだろう。

ちなみにエンジンオイルの減りについては、結構早いようなので、結局は早めに交換してしまったほうがいいし、あまり交換していない(できない)場合は、量の点検だけでもしておきたい。夕ーボ車の場合、夕ービンの寿命にも大きく関わってくるだけに、やはりオイル管理は重要だ。

またこれは実体験なのだが、リヤデフのオイル交換はじつはかなりむずかしく、注入側のボルトがサスに邪魔されとても外しにくい。抜くのは簡単にできるので、最初に抜いてしまって、あとで入れられないことが判明するということもありうる。

工具を引っかけるようにして、なんとか外せるといった感じなので、ノウハウがないところに交換はお願いしないほうがいいだろう。

そのほかについては、激しくチューニングしなければ、とくに気を使うことはなし。そういう意昧でも気軽に楽しめるといっていいだろう。

メンテナンス表(編集部調べ)
項目 交換時期 総量 純正指定
エンジンオイル 10,000km/12カ月ごと(SG/SH/SJ級)
5,000km/6ヶ月ごと(SF級)
3.5L 5W-30
オイルエレメント 1個  
MTオイル 無交換 1.8L MG-P
デフオイル 100,000kmごと 1.3L ハイボイドギアオイル
ブレーキフルード 車検ごと NR3
冷却水 車検ごと 6.2L LLC
パワステフルード 無交換 0.96L パワーステアリングフルード
スパークプラグ 電極1.1〜1.7mmの範囲で調整 4本 PFR-6B-9
エアクリーナー 50,000kmごと 1個  

タイミングベルトはなし

中古車で気になるのが、タイミングベルトの交換.日産は伝統的にタイミングベルトではなく、チェーンにこだわっており、S15型に搭載されるSR型も同様。だから交換の必要はなし。

Tuning 買ってからいじるか、いじったものを買うか?

ファインチューニングレベルが人気は高い

車高調
車高を落とせば、よりドッシリ感が強調できるだけに、車高調は人気のひとつ。写真はピロマウントタイプだ
ウイング
シルビアといえばGTウイングのイメージだが、装着する場合はトランクの補強を行なわないと、鉄板が裂けてしまうというから要注意
マフラー
マフラーはやはり定番。アルミホイールとともに、まずは交換したいパーツといっていいだろう。吸気系も同時に手を入れると、さらなる性能を引き出せる

今やドノーマルの中古車というのはほとんど見かけないというS15型。当たり前といえば当たり前だが、購入する側としても買ってから、手を入れていきたいという人がほとんどだけに、歓迎すべき状況だろう。中古車で最初から装着されているパーツで人気なのは、アルミホイール/純正エアロバンパー/マフラ−/車高調といった基本メニューに加え、ターボ車ならば前置きインタークーラーとなる。確かにこれらは最初から付いているとうれしいパーツたちだ。

もし買ってから自分で手を入れていくとすると、どこから始めるか、参考になるだろう。ただし、夕一ビン交換など、さらなるステップアップとなると、ほかの部分の耐久性にも大いに影響を与えるから、その点は踏まえておいてほしい。