TOYOATA MR2 type SW

世界にも希に見る量産ミッドシップスポーツ

登場時は危険な挙動で話題にもなった……

メイン写真
SW型MR2・GT主要諸元(1989年式・5MT)
全長(mm) 4170
全幅(mm) 1695
全高(mm) 1235
ホイールベース(mm) 2400
車両重量(kg) 1280
エンジンタイプ 3S−GTE型
総排気量(cc) 1998
最高出力(ps/pm) 225/6000
最大トルク(kg/ps) 31.0/3200
パワーウエイトレシオ
(kg/ps)
5.68
サスペンション前 ストラット
ブレーキ前後 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ前後 95/60R14/
205/60R14

カローラをべースにした世界にも希に見る量産MR

リア
力ローラのパワートレインを後ろにずらすことでできあがったパッケージだが、やはりミッドシップ独特のスタイルは精悼だ。ピュアスポーツの風格は十分
エアロ金具
最終となるV型では、リアのエアロが当時流行だった迎角調整式となった。サイドの金具を締めればユーザーが自分で調整することができた
タイヤ
登場時こそ不具合がでたものの、改良を重ね、ハンドリングも大幅に向上した。当時、トヨタの自慢だったスポーツABSはサーキットでも大きな威力を発揮

国産初の量産ミッドシップスポーツであるMR2。カローラのパワートレインを流用することで、安価で誰でも楽しめるキャラクターがウリだった。ちなみにMRというのは「ミッドリア」ではなく、「ミッドシップランナバウト」の略だ。

'89年に初代からバトンタッチしたのが2代目で、コンセプト自体はキープしながらも、ボディの大型化やエンジンの2L化(初代は1・5L/1・6L)など、走りも含めて厚みが増している。

しかし、その滑り出しは順風ではなかった。営業主導でのキャラクター決定など、その理由はいろいろと噂されたが、リアサスペンション取り付け部の剛性不足により挙動変化が激しく、マスコミ向けの試乗会でもコントロール不能に陥るクルマが続出したほどだった。

しかし、その点については発表から2年後の初のマイナーチェンジで改良されており、挙動の変化も穏やかなものへと改められた。搭載される2Lエンジンはハイパワーユニットとして人気の高かった3S型。NAに加え、初代のスーパーチャージャーに代わる夕ーボの2タイプが用意されていた。

II型(MCで区切ってIからV型まであり)以降は安定感も増したことで、ミッドシップの醍醐味が存分に昧わえるようになり、振り回す楽しさを満喫できた。また装備的にもビルシュタイン製ショックやヘリカルLSD、スポーツABSの採用など、MC (計4回実施)を経るほどに進化を続け、まさに'90年代を駆け抜けたといっていいだろう。

ただしその秘めたる限界は高く、とくにターボではポテンシャルを最大限に引き出すにはかなりの腕が必要とされたのも事実だ。

 

HISTORY 先代で築き上げたキャラクターを見事に昇華!

AW型初代MR2

【AW型初代MR2】
角張ったコンパクトなボディと、4A−G型エンジンの組み合わせなど、
未だに根強いファンがいる初代。市販ミッドシップとしては日本初だった

 
MR-S
MR-S
99年にMR2の名は消滅したが、そのコンセプトをしっかりと受け継いだのが、MR-Sだ。ただし、ピュアスポーツというよりも、オープン2シーターとしてのキャラクターが強められた

角張ったボディで、ピュアライトウエイトスポーツのイメージたっぷりだった、初代MR2。AW型という型式から「エーダブ」の愛称で親しまれたが、SW型となる2代目も「エスダブ」と呼ばれた。最終的には約10年にもわたって販売された2代目だが、その生涯で受けたマイナーチェンジは4回にも上っており、モデル的にI〜Vに分類されている。

前のページでも解説しているように、I型はその造りに問題があり、MCで大幅なリファインが施されているが、その後はスポーツカーとしての資質を着実に増す内容だ。外装面もエアロ形状を中心に手を入れられ、各型ごとにイメージは結構異なる。ただし、モデル全般に渡って、販売面で成功したとはいえず、その結果が、スポーツカーというよりも、さらに気軽に楽しめるMR−Sへのコンバートヘとつながっていくといっていい。

SW型MR2変遷表(価格はすべて当時・税抜き)
FMC 1989年10月〜 I型 直4・2l DOHCである3S型エンジンをリヤミッドに搭載。
225ps発生のターボと165ps発生NAの2本立て。【価格】182.0〜277.8万円
グレードはG/Gリミテッド(NA)、GT(ターボ)の3つ。
スーパーホワイトIII/クリスタルパールマイカII/ブラック/スーパーレッドIII/スーパーブライトイエロー/ターコイズマイカ
MC 1991年12月〜 II型 GTの廉価版としてGT-Sを追加。【価格】250.0〜264.5万円
GT系にビスカス式LSDやビルシュタインのショックを標準装備。タイヤとブレーキを大径化。
さらにフロントスポイラーも大型化し、リアガーニッシュのデザインを変更
MC 1993年10月〜 III型 ヘッド・吸排気系を中心にエンジンを改良。さらにターボの仕様変更で、ターボで20psアップ。
NAではMTが15ps、ATで5psアップした。【価格】202.9〜296.9万円
サスペンションのジオメトリー変更。取り付け剛性の向上を図る。
リアランプのデザインを変更し、リアスポイラーもウイングタイプへと変更。
1995年1月〜   MR2誕生10周年記念車発売。
Gリミテッドをベースにした「ビルシュタインパッケージ」を限定で発売。
ビルシュタイン製ショックやモモ製ステアリング&シフトノブ。さらには専用色としてシルバーメタリックを設定。
MC 1996年6月〜 IV型 全車にデュアルエアバッグとスポーツABSを標準搭載。【価格】213.5〜309.5万円
G/GリミテッドのMT車にヘリカル式LSDをオプション装備。
フロントスモールランプをホワイト化。ウインドにはグリーンガラスを採用。
MC 1997年12月〜 V型 NAをBEAMSとし、VVT-I搭載で出力を200ps/21.0kg-mを達成。【価格】215.0〜309.5万円
リアスポイラーを可変タイプへと変更。
アルミホイールのデザインを変更。
 

レースでも活躍したMR2

レース写真

高いポテンシャルを武器にレースでも活躍。GT選手権はもちろんのこと、若手の登竜門、富士チャンピオンシリーズでも人気の車種だった。さらに意外なところでは95のル・マンにも参戦しており、MR2ベースの「サードMC8」がそれ。エンジンはセルシオ用V8で、ツインターボ化することで、600psを発生するというモンスターマシンだった。結果は残念ながらリタイヤ。その後鈴鹿1000Kmなどにも参戦した。

 
 

[ENGINE]リッター100ps達成でもシャープさに欠けた

エンジン

2代目に採用されたのが、新開発だった2LD0HCの3S型ユニット.初代MR2やハチロクに搭載された4AG型に代わる4気筒エンジンだ。2代目は3S型のみとなり、NAは165psでセラミックペラ採用のターボは225psでスタートした。その後、ヘッドや排気系の見直しなどにより、パワーは次第にアップされ、最終型のV型ではターボは245psを実現。さらにNAに至っては可変バルブタイミングのVVT-iを新たに採用することで、200psを発生し、なんとリッター100psを達成。ターボの尖ったどっかんぶりに対して、懐の深い味わいのある走りが楽しめた。

Maintenance メンテについては特に気を使う必要なし

ターボだけにオイル交換はしっかりと行いたい

点火系トラブルによる失火が唯一のウイークポイントか!?

エンジンルーム
オイル交換などはとくに問題ないがそれ以上の整備をしようとすると、かなり窮屈なエンジンルーム。オイル漏れなどは少ない
プラグコ−ド
プラグコ−ドは消耗品のひとつだが、交換インターバルを決めて管理したほうがトラブル防止になる
ターボタービン
吸気は前方側となる何度もいうが、ターボタービン自体は丈夫だ。ちなみにセラミックタービンを採用している

やはり'90年代スポーツカーの例に漏れず、かなり丈夫でメンテに関しても気を使うところはとくになし。もちろんこれはなにもしないでいいというわけではなく、チャンと手をかけてやったうえでの話しだ。

とくにターボ車はオイル交換を定期的に行うのは当然で、オートブロアムでのオススメは3000km/3ヶ月毎を推奨している。それさえ気をつけていればターボ車にありがちな繊細なイメージはないようだ。ミッドシップに付き物の熱によるダメージもなく、オーバーヒートもまったく心配はなし。さすがはトヨタ車といったところだ。

ただしオイル関係では、ほかにも前のページで見たように、ミッションに関してはタフさに欠けるようなので、長く乗り続けるならギヤオイルもマメに交換した方がいいだろう(純正の交換指定はとくにないが)。特にサーキットなどをハードに走ったあとは、交換してしまったほうがいいかもしれない。

とはいえ、ウイークポイントがないわけではない。一番大きなところであげてもらったのが、点火系の不具合。エンジンがかからないというときにまず疑うのがプラグコードの劣化だ。まぁ、コードだけでなくプラグも含めて消耗品ではあるので、定期的に交換してしまうほうがいいだろう。またコードに関してはシリコン被膜の社外品に交換してしまうのも手だ。もちろんエンジンが始動しなくなったら、チャンとプラグに火が飛ぶかを確認したほうがいい。

と、その程度というから、気軽に楽しめることは確か。あとは色あせしやすいレッドのボディの場合は、紫外線カット材配合のワックスやコーティング剤を使用すると、退色の進行がかなり遅くなるので、ボディケアも忘れずに。

メンテナンス表(編集部調べ)
項目 交換時期 総量 純正指定
エンジンオイル 5000km/6カ月ごと(SE/SF/SG級) 4l 10W-30以上
オイルエレメント 10000kmごと 1個  
MTオイル 必要に応じて 3.9l MGギヤオイルスペシャルII
ブレーキフルード 車検ごと 2500H
冷却水 車検ごと LLC
パワステフルード 無交換 0.7l EH
タイミングベルト 100000kmごと 1本  
スパークプラグ 電極1.1〜1.7mmの範囲で調整 4本 熱価7
エアクリーナー 清掃1年ごと/交換50000kmごと 1個  
 

タービンは丈夫だがオイル管理は大切

ステッカー

いくら丈夫だからといっても、ターボの場合、オイル管理をしっかりしないとシャフトのガタなどが出てしまう。エンジンのフードを開けると、その裏にわざわざステッカーが貼ってあり指示がされているほどだ。

Tuning ノーマルの中古に自分流に手を入れる

ライトチューンメインで、ハードは少数派

プラグコード
ファインチューニングレベルでといえば、プラグコードを社外品に替えるのも、オーナーに聞くと効果があるという
マフラー
ノーマルで買って自分でいじりたいという人が多いとはいえ、マフラーは最初から付いているほうが人気 ではある。1本出し/2本出しの両方がある
サスペンション
セッティングで走りが大きく変わるだけに、足回り換はノウハウのあるショップにお願いしたい

スポーツカーだけに、買ったらやっぱりイジリたいもの。でも、中古車で買うとなるとできるだけノーマルがいいと思ったりもする。というか、中古車は多かれ少なかれ手が加えられているとは思うが、その点はどうなのだろうか?オートブロアムの鈴木店長によれば、やはりノーマルが人気が高いのだが、ホイール/マフラーあたりは許容範囲とのこと。それ以上に手が加えられているのは、抵抗がある人が多いようだ。たとえば足回りだが、セッティングをしっかりと出してやればビシッとした足になるだけに、へ夕に組み付けられた中古車を買うよりも、買ったあとで自分の好きなように煮詰めたい人が多い。ちなみにハードめではマフラーに加えて、タコ足まで替えると気持ちよい吹けが楽しめるという。