数年前からハマってるウエイクボードの誘いをカノジョから受けると、仕事など手につかない。山積みされた仕事のことも忘れ、迷うことなく気持ちは相模湾の葉山に向かってしまう。数日前から僕はエアトレック・ターボRを借りていた。前々から海へのアシとして使ってみたかったからだ。かさ張る機材を満載し、東京からハイウエイを経由して1時間ほどの海に行くのにふさわしいクルマとして選んだのだ。約140cmと見た目の印象より意外に大きいウエイク用のボードも、何枚だって簡単に積み込めるのはありがたい。海辺でもターボRは真価を発揮してくれた。4WDだから、砂にアシをとられてスタック、なんて失態はよほどの湿地でもなければ無縁だ。機材を積み込むのには高すぎず、波打ち際まで行くには低すぎない、そんな絶妙な車高なのもターボRのウリのひとつだ。大きな荷物も積めるし、ピーチでも余裕で乗り入れられるってところがエアトレックの魅力だが、ターボRで一番期待していたのは、ジツはオンロードでの走り。ラゲッジやスペースユーティリティの広さだけだったら、ワンボックスやフツーのSUVでもいい。ビーチでの踏破性のことだけだったら、ハードな4WDでもいい。でも、オンロード、東京からの往復ではスマートに気持よく走ってくれなくちゃ、イマドキじゃない。


 ランエボと同じ4G63型ユニットは、240psを発揮。レースで乗り慣れているランエボとはもちろんパワーが違うが、低回転トルクとレスポンスをさらに強化しているから、加速はスムースでかつフィールのよさもこの上ない。葉山のビーチまでは、たくさんの料金所をくぐらなければならないが、それでも、いわゆる「ドッカンターボ」じゃないから、発進加速を繰り返しても苦にならない。飛ばしてるっていうことをカノジョに悟られないようにしてビーチに急げるのだ。パワーがあっても動力特性が荒いんじゃ、ハッキリいって疲れてしまう。運転に必要以上に神経を使うクルマは、SUVとしては失格だ。サザンやチュ−プサウンドが似合うスマートな走り味こそ「スポーツSUV」の本流だろう。また、直進性がいいのも、ターボRの素晴らしいブブン。ワインディングでは、ステアリングの応答性も軽快感がある。なのに、ハイウエイでは動きに落ち着きがあるのだ。「わだち」にも寛容だから、片手での運転でも不安はない。このターボR、ジツは、往路より復路の方が、ありがたみを感じさせてくれた。朝から昼下がりまでウエイクを楽しんでいると、全身は筋肉痛だらけで疲労困ぱい。運転もなるべく無駄な操作をしたくないほど。そんなときにこそ、ハイウエイをストレスなく走る抜群の直進性が大きな助けになる。帰りがラク、と思うだけで、そもそも気分がいいのだ。