来ました、夏・本・番ッ!となればクルマを使って海へ山へと行きまくりたいよね。ミニバンに乗って大勢で繰り出すのも楽しいし、スポーツカーでブイ〜ンと飛ばすのもいい。そんなとき、足まわり(サスペンション)が頼りないと運転していてツマらないし、同乗車だってグラグラ揺れて不安なもの。 そこでCARモードでは、夏を間近に控えた今、サスペンションのグレードアップを提案。トヨタのモータースポーツ活動を担うTRD(TOYOTA Racing Development)の試乗会におじゃまして、その走りを本気でチェック。最先端のサスペンション・チューンの実力をレポートするゾ!
本名:谷口信輝(たにぐち・のぶてる)
チューニングカー雑誌“ヤングバージョン”では、スティンガー谷口のニックネームで活躍中のドリフト有名人。最近は、レース界でもスーパー耐久やアルテッツァレースなどに参戦し、その実力のほどをアピールしている。甘いマスクに女性ファンも多い。

 今回ご紹介する“TRD Sportivoサスペンションセット”および“Way Do Sportivoサスペンションセット”は、トヨタワークス・TRDならではのメーカーと直結した評価テストや開発プロセスから生み出されたストリート仕様のサスペンションなのだ。旋回性能や直進性能、ステアリングレスポンスなどの向上はもちろん、フラット感のある乗り心地や日常の使い勝手なども高いレベルで追求した、いわば「究極のストリート仕様」。どちらも1年2万kmの保証付きなので、カスタマイズ初心者の人でも安心して乗れるハズだ。






JZX110に適合。フルセットは必要ないという場合は、ショックアブソーバーが6万1000円、スプリングが4万円、スタビライザーが7万9000円也。



マークIIの場合、ショックアブソーバーとスプリングに加えてスタビライザーもプラスしたフルセット(1台分18万円)がオススメ。車高は約15〜20mmダウン。
 

 試乗車はiR-Vという一番のホットモデル。旧型でいうところのツアラーVになるワケだけど、ノーマルで走ってみると、これがかなりラグイ(※編集部注:“ラグジュアリーな”という意味)足で、ワインディングを飛ばすのはハッキリ言って怖い!ちょっとオーバーかもしれないけど、まるで船みたいに“フンワカ、ホンワカ”した乗り心地。これがグランデ系ならまだ納得できるけど、iR-Vを選ぶ人はきっとモノ足りないんじゃないかな?
 そこでTRDのデモカーに乗り換えてみる。するとどーだ!ノーマルとはまるで違うスポーティな味付けじゃないの。乗った瞬間にシッカリ感が伝わってくるほど硬派な足だ。うれしいのはタイヤが路面に接地している感覚がきちんと伝わってくること。ノーマルはこの部分が希薄だった。乗り心地はもちろん硬めだけど、ファミリーで乗ってもギリギリ文句を言われない範囲だと思う。コーナーではステアリングを切れば切っただけ曲がってくれる。じつはマークIIに関しては、前後のスタビライザーも組み込まれたSportivoフルセットが装着されていたんだけど、トータルバランスのよさは文句ナシといった感じ。また、マークIIに関しては、さらに車高を低くセットアップした、よりハードな仕様も考えているそうだから、オーナーは目が離せないゾ。







ショックアブソーバーとスプリングで構成されるSportivoサスペンションセットは1台分9万2000円。2WD車(ZZE127/128)に適合する。装着時の車高はノーマル比で約35mmダウン。



適度なローダウンがオトナの感性にもマッチする。ショックアブソーバー(5万6000円)またはスプリング(3万6000円)のみの購入もできる。
 

 じつはこのWiLL VSというクルマに乗るのボクは初めて。というワケで、まずはノーマル車からチェックしてみたんだけど、足まわりは思ったより硬めで、今回走ったワインディングだと、けっこうおもしろいクルマだな、というのが第一印象。具体的にはステアリングのレスポンスがすごくクイックで、“攻めてるッ!”っていう気持ちになるセッティングなのだ。ただし、ペースを上げていくとブレーキングや加速時の姿勢変化が大きめで、コーナーでフラフラしてしまう場面もあった。
 一方、TRDのSportivoサスペンション装着車は、ノーマルで気になったコーナリング時の余分な姿勢変化がきっちりと抑え込まれている。ロール自体もグンと少なくなっているし、コーナリングスピードもノーマルとは比較にならないくらい速いッ! 試乗車はオートマだったけど、直角のタイトなコーナーが連続して現れるところなんか、アクセル全開のまま抜けられるほどだ。ノーマルも硬めに感じられる足だけど、Sportivoの硬さとは種類が違う。TRDの担当者の方に話を伺うと、「WiLL VSの場合、トータルバランスを考えた結果、ノーマルより柔らかめのダンパーを使用しています」とのこと。トヨタ車を知り尽くしたTRDならでは、といえるんじゃないかな。





ショックアブソーバーセットだと5万9000円、スプリングセットは3万6000円。走りにこだわるヴィッツRSのオーナーなら、両方装着したいところ





ヴィッツRSをさらにポテンシャルアップするサスペンションセットは1台分9万5000円。車高は約20mmダウンする。RS以外の1.3L・2WD車にも装着可能だ
 

 まずノーマルだけど、コレがなかなかにイイ!1.5LのRS、しかもMT車って、こんなに速いんだ!?ヴィッツレースに参戦してたオレとしてはちょっと複雑な心境(レースカーは1.0Lのノーマルエンジン)だったりして……。パワーもさることながら、足まわりもそこそこスポーティな味付けで、ワインディングもキビキビと走り回ることができる。欲を言えば、コーナリング中に動作を加えたときの姿勢変化が大きめに現れる部分と、全体的に腰高感があることが不満といえば不満。
 で、TRD・Sportivo仕様に乗ってみると、ノーマルで気になった腰高感が見事に消えていて、安定感のある、どっしりしたフィーリング。ちなみに車高はノーマル比で20mmダウンとのことだけど、その数値以上に低重心になった気がする。「もっと低い方がカッコイイし、安定感がアップするんじゃないか?」と思う人もいるだろうけど、それは誤解ッ!ノーマルの車高って、アームの長さとか、その他サスペンションの設計上のいろんな要因の絡み合いで決められているから、決して伊達じゃないんだ。TRDなら、そういった設計上の理論値なんかも考えて適切な車高に設定してるワケだから安心だ。とにかく、コーナーでアクセル踏みっぱなしでも“ギューン”と曲がってしまうところが最高です!





価格はショックアブソーバー+スプリングのフルセットで10万円〜10万2000円。車高はノーマル比で約30mmダウンと程よいもの





現行エスティマ(ACR30W/
MCR30W/ACR40W/MCR40W)に適合。ショックアブソーバーセットは5万6000円、スプリングセットは4万4000円〜4万6000円
 

 これも初めて乗るクルマです。ただし、ミニバンでドライバーのコメントだけじゃイカンと思うので、エスティマに限りセカンドシート・インプレッション付きでいきましょう。まずはお決まりのノーマルからだけど、運転してるとロールの大きさはそれほど気にならない。あるいはタイヤとのバランスで、サスにあまり負担が掛からないようになっているのかも。ただしハードに攻めるとコーナリング中はタイヤが鳴きっぱなし!セカンドシートからの報告は、ゆったり流しているときはソフトで快適だけど、うねりがあるコーナーを速いペースで走るとピッチングが大きくて車酔いしそう、とのことです。
 さて、TRDのほうはどうか?ちなみにミニバンであるエスティマの場合、今回乗った他の車種と違いセカンドシートやサードシートの快適性も重要視されているので、“WayDo Sportivo”というサスペンションシリーズになるのだそう。運転席での印象は、ノーマルの乗り心地のよさをほとんど損なわないで、コーナリング中の安定感がワンランクアップしている感じ。エスティマらしからぬスピードでコーナーを旋回してもタイヤがほとんど鳴かないのが印象的だ。セカンドシートからの報告によれば、走り出した瞬間は多少“コツコツ”という硬さを感じたけど、すぐに気にならなくなったし、それよりも、ノーマルでは酔いそうになったうねりのあるコーナーでは、振動の収まりがよく、こちらのほうが快適ですよ……とのこと。運転している人だけじゃなく、乗員みんなが満足できる仕様ってことだよね。


もっと詳しく知りたい人は、下記のTRDホームページへGO!
TRD ホームページアドレス http://www.toyota-ttc.co.jp